50の手習い ジャズサックスに挑む!

若い頃にやっていたジャズサックスに再度挑戦しています。

ジャズと落語の共通点?

11月にインフルエンザに感染しました。夏にコロナにかかったときにちょっと無理をして痛い目にあったので、徹底的に休んでやろうと思ってゆっくり療養しておりました。実際にはほとんど症状は改善されていたので元気と言えば元気だったので、ちょっと気になっていた春風亭一之輔師匠の落語をじっくりと聞いてみました。

実は子どもが生まれる前、20年くらい前にはたまに落語会に通っていました。その頃にひたすら聞いていたのがレジェンドである古今亭志ん朝師匠のCDでした。一之輔師匠を聞いていたときに志ん朝師匠のようなテンポの良さを感じていたので、近所でやっている落語会を検索してみたのですが、さすがにチケットを取れない落語家だけあってどこもソールドアウト。ダメ元でチケットぴあのリセールに申し込んでみたのですが、運よく見にいくことができました。非常に躍動感のある高座で楽しめました。ということで、少し落語について改めて調べてみたのですが、ジャズと共通点が見えてきた気がしました。それについてはネットでも同じような議論があるのですが、私なりに考えてみました。

ジャズも落語も型がある

ジャズは言うまでもなく、スタンダード曲をいかに料理するかが楽しみのひとつでもあります。過去の名プレイヤーのフレーズを取り入れながら自分なりに味付けしていくというのが醍醐味ですね。ただ、まずは好きなプレイヤーの演奏を真似てみるというところからというのは誰にも共通することだと思います。と言いつつ、私の場合は特殊な事情があり、それは後述します。

一方の落語は、あまり知られていないかもしれませんが、落語を学ぶときには口伝と言われています。今は必ずしもそうではないのかもしれませんが、まずは師匠が話すのを聞いて、それを憶えて、そして師匠の前で披露してOKもらったらやっとお客さんの前で話すことができるという仕組みです。落語のネタ自体はいまはCDや動画などでいくらでも触れることができると思いますが、やはり弟子はその師匠に似てくるというのはほぼ共通していて、それはこのようなシステムが確立しているからでしょう。あの立川談志師匠もその師匠の柳家小さん師匠に話の雰囲気が似てると思います。もちろん真打ちになれば自分の味が出てくるんだと思いますが、まずは師匠に似たものが出来上がるという過程を経てからの結果だと思います。

ジャズで言えば、好きなプレイヤーを徹底的に聞いて研究するというのと同じですね。さすがにジャズのレジェンドと言われる人たちはすでに鬼籍に入っていますので、直接に教えを請うというのは無理ですが(生きてても無理かw)、何度も音源を聴いてというのは落語と似ている点があるのかもしれません。

また、落語は主に古典落語と呼ばれる長年披露されているネタが中心になります。つまり、この100年くらいにいろんな落語家により披露されてきたものが山ほどあるわけです。ここはジャズのスタンダード曲と同じと解釈でき、それをどう料理するかが落語家の腕の見せどころとなるわけです。余談ですが、ヨネスケ師匠のYoutubeのゲストで出ていた立川志らく師匠によると、談志師匠が落語がつまらないと漏らしていた時期があったそうです。談志師匠は求道者として有名で、考えすぎた結果、誰もが知っている話を聞きにきて何が面白いのかという結論に至ったようです。確かに話は皆同じですが、演じ方をそれぞれの味付けでやってみたりと、聞いてみれば別ものと考えることもできます。ジャズほどの別もの感はないかもしれませんが、クラシックだって全く同じ曲をそれほど大幅には変わらない演奏でやるわけですし、指揮者ごとの仕上げの違いを楽しみにしているファンも山ほどいる、むしろそういうファンしかいないと言っても過言ではないでしょう。

まずは型にはめてみる

どうも私の場合は初めからオリジナリティにこだわる面があって、これまではあまりコピーはしてこなかったというのが実態です。今回、ジャズと落語の共通点を調べる上でネット上のいろんな情報を参照しましたが、けっこう見たのがとにもかくにもまずは先人のフレーズをコピーすることだというものでした。演奏で丸々コピーしてしまうのはナシだと思うのですが、名フレーズと呼ばれるものはそう呼ばれるだけの理由があって、例えばコード進行の流れの中で理想的な使い方であったりするわけで、それを真似て参考にする、いいところは自分の演奏に取り入れるのは理に適っています。偉そうに言う前にまずやれよの一言で議論が終わるんですが、実態としてできていないわけですから、ここは心を入れ替えて臨むしかありません。今回いろいろと調べてみて、そこを痛感したのは収穫と言ってよいでしょう。幸い、買ってそのままにしているに近いアドリブフレーズの教則本が手元にありますので、そこを紐解くことから始めてみるつもりです。

さらに年明けに新しい理論解説の本も手に入れたので、学習とアウトプットをして定着させていこうと思っている2024年初頭です。